Shogyou mujyo/Tutto Scorre, Castello di Sarteano, Sarteano

- exhibition venue
- Castello di Sarteano - Sarteano, Italy
- period
- 2016/08/01 ~ 2016/11/15
- en
- jp
写真家ニシカワヨシエが現在制作中のシリーズから、東京在住の90年代前後に撮影したものまで、100点余りの作品を一堂に会します。およそ30年に渡り、ニシカワが創作し続けた美しいモノ、こと、ニシカワのコアとなる審美眼は、日本 – イタリアという両国間に於いて、また、時間の経過に於いてどう影響されたか、フィロソフィーと感受性はどう変化したのか、を探ります。
展覧会は、この地域のシンボルともいうべき、そして最近修復されたばかりの中世築城、サルテアーノ城にて、4ヶ月にわたり開催予定。会場はサルテアーノ城全館、4フロア、全15部屋で構成されます。
中1階
3部屋で構成。3シリーズそれぞれ、Pesci(ペーシ), Icona(イコーナ), Monono aware(モノノ・アワレ)を展示。 最近のものを含むこれらの作品から、ニシカワが現在追求しているテーマを読み取ることができます。
1階
4部屋で構成。アナログからデジタルと時代は大きく変わり始め、誰もが、急変する見えない先の時代へ、どう関わるか、関われるのか、暗中模索をしていた時期。自己の感性だけをたよりに、時代と対立を感じながらも、存在の理由を求めました。アナログからデジタル写真への移行に作者の内面の葛藤がわかる、一連の静物写真、そして、その結果を見出す「表裏一体」のシリーズ。撮影から20年という時間を経て始めてプラチナプリントとして表現された「浄化」シリーズ。いずれも、ニシカワの作品に大きな意味を持つ時間をここに見ることができます。
2階
4部屋で構成。「この絵の意味は、美そのものだ。存在することだけが、この絵の存在理由だ。」アルジャーノン・スウィンバーンの言葉にあるように、美しいものだけを追求していた時期。東京からミラノヘベースを移し、自己の内面を探る旅のミラノ最初の作品となったシリーズ、”la mia rossa” (ラ・ミア・ロッサ) を始め、作者の耽美世界の追求時期の作品。イタリア文化に深く身を委ね、時間の意味を体現する日常、自分の取り巻く光に、影に、一喜一憂していた時期。
3階
4部屋で構成。東京在住の間に制作した、ニシカワの出発点としての作品を展示。「美が生み出すのは、感情を観念に昇華させる喜びである。」ジョセフィン・ペラダンの言葉を暗示するかのように、ニシカワの審美眼のコアがここにあった時期。